帰省

東京から帰省してきたあねが、昨日帰った。

流石にもう2年も前に上京して、なんども家に帰ってきているから、またねなんてかるいものだったけど、ちょうどもう2年前の、姉を東京に置いてきた日は、今でもくるしくなる

 

学生マンションの4階からみんなで静かに降りて、目の前に止まっている車に、

自分と父と母だけがのりこんで、姉はまだ外で、

乗りこむことなんてなくて、中の3人だけがシートベルトをしめて、

準備がおわって、なのにねえねはまだ外のままで

ばいばいしか言えなかった

もうマンションが見えなくなった時、自分と母は声をおさえて、号泣していた。

窓の外をみてたから父はどうだったか分からなかったけど

なにかを話始めるまでに時間がかかった

 

置いていったのは自分らなのに、なんで自分をおいていったんだよって、ひとりにしないでって

家から人が1人へって、車の後部座席が1席あまって、4つ入りのプリンが、ひとつ余って、こたつの1辺があまって、自分の隣の部屋から、ものおとがしなくなって

 

今文字を打っている時もなみだがとまらんくて、

 

たった1年くらいで3人の生活が当たり前になってしまったことが、喧嘩しなくなったことが、

もうむりで

 

2年もして、ねえねまだこっちいるんだって気持ちが頭によぎって、

 

 

時間っていうものは長さとか重さとか関係なく、減ることなんてなくて、

3年嫌だったことと5年幸せなことは、5年幸せだったことだけじゃなくて、ぜんぶで8年分の記憶としてのこるから

姉とすごした14年間は、姉がいなくなって14年目に消えるものじゃないから

 

 

思い出なんて、確実に消せないし、上書きできないし、意識してつくらないなんてこともできないから

 

どんなことも受け入れて、いくことしかできないの